はじめに

近年、訪日韓国人市場は日本のインバウンド市場において最重要領域のひとつとなっています。2025年には訪日韓国人数が945万人を突破し、国別で最多を記録しました。

一方で、「韓国人観光客を集客したい」「韓国向けプロモーションを強化したい」と考えていても、日本国内向けのWebマーケティング施策をそのまま韓国市場へ展開して成果が出ないケースは少なくありません。

その理由は、韓国ではGoogleやLINEだけでなく、NAVER(ネイバー)・KakaoTalk(カカオトーク)・Instagram・TikTokなど、日本とは異なるプラットフォーム文化が根付いているためです。

本記事では、韓国インバウンド市場の最新動向・韓国人旅行者の消費行動・NAVER SEOを活用した集客方法・韓国向けSNSマーケティング・韓国インフルエンサープロモーションまで、実践ポイントを詳しく解説します。

韓国インバウンド市場の基本情報

韓国インバウンドの戦略を立てる前に、まず市場の全体像を把握しておきましょう。インバウンド数・市場規模・トレンド・成長予測の4つの観点で整理します。

インバウンド数(訪日韓国人の実態)

日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2025年の訪日韓国人数は945万9,600人に達し、国・地域別で2年連続最多を記録しました。前年比7.3%増で、訪日客数・消費額ともに過去最高を更新しています。

01訪日数

945万9,600人

2025年訪日韓国人数。国別No.1・過去最高を記録。

  • 国別2年連続最多
  • 前年比+7.3%
  • 12月単月は97万4,200人
02消費額

9,864億円

2025年の旅行消費額。宿泊・飲食・買い物への支出が活発。

  • 過去最高を更新
  • 1人あたり約11.3万円
  • 宿泊費が最大(31.7%)
03リピーター

約80%

韓国人旅行者のリピーター比率。超リピーター化が進行中。

  • 週末旅行の日常化
  • LTV向上が鍵
  • 深い消費へシフト

韓国の市場規模

2025年の訪日韓国人の旅行消費額は9,864億円に達し、過去最高を更新しました。韓国人旅行者1人あたりの支出内訳は宿泊費が最大(約31.7%)、次いで飲食費(約27.1%)、買い物代(約26.4%)の順となっています。特に「ドラッグストア・コスメ」「食料品・飲料」の購入率が高く、コンビニ利用率は約86%、ドラッグストア利用率は約85%に上ります。

最新トレンドと成長予測

韓国人観光客の最新トレンド

2025年の韓国インバウンド市場では、若年層を中心に「週末日本旅行」や「目的特化型旅行」が定着したことが訪日者数増加の大きな要因となりました。

  • 「週末・短期日本旅行」の日常化:韓国と日本の地理的近さを活かした短期滞在が当たり前に。4〜6日滞在が全体の67.2%を占める
  • 目的特化型旅行の定着:アニメ・映画の「聖地巡礼」やゴルフ・登山・沖縄などテーマを絞った旅行スタイルが主流に
  • 地方・穴場スポットへの分散:東京・大阪だけでなく、北海道・沖縄・松山など地方への関心が拡大
  • グルメ特化消費の進化:ファインダイニング・ミシュラン名店・炉端焼きなど、より専門化・高付加価値なグルメへの関心が高まっている
  • 体験・サービス消費へのシフト:モノ消費からコト消費へ明確にシフト。2025年の全訪日客消費のうちサービス費が全体の7割を占める

韓国の成長予測

2025年に過去最高の945万人を記録した訪日韓国人は、2026年以降も増加傾向が続くと見込まれています。実際、2026年1月の訪日韓国人は史上初の月間110万人超えを記録しており、政府が掲げる「2030年に訪日客6,000万人・消費額15兆円」の目標達成に向け、韓国は引き続き最重要市場として位置づけられます。

特に韓国人旅行者の約80%がリピーターであり、リピーターほど消費額が増加する傾向があります。LTV(顧客生涯価値)向上を意識した施策が今後さらに重要になっています。

韓国インバウンドのプロモーション戦略

韓国人旅行者に自社の商品・サービスを知ってもらうには、日本向けの施策をそのまま流用するのではなく、韓国独自のプロモーション手法を理解することが不可欠です。

効果的な韓国インバウンドプロモーションには、主に3つの重要ポイントがあります。

POINT 1NAVER SEO

NAVERを活用した情報発信

韓国国内では検索エンジン「NAVER」の利用率が非常に高く、旅行前の情報収集もNAVERブログなどを中心に行われています。

  • NAVERブログSEOGoogle検索対策とは異なるNAVER独自のアルゴリズム対応が必要
  • UGCの活用広告よりも「実際に行った人の口コミ」を重視する韓国人旅行者の特性
  • 韓国語コンテンツ設計NAVER SEOを意識した韓国語コンテンツが来店・購買へ大きく影響
POINT 2KakaoTalk

KakaoTalkチャンネルでのダイレクトコミュニケーション

KakaoTalk(カカオトーク)は韓国国内で圧倒的な利用率を誇るメッセージアプリ。日本のLINEのような存在です。

  • クーポン配信来店促進・リピーター施策との相性が抜群
  • ビズボード広告KakaoTalk公式チャンネルを活用したキャンペーン告知
  • 継続接点づくり訪日韓国人旅行者との長期的なリレーション構築

ポイント3:Instagram・TikTokインフルエンサーとの連携

韓国人旅行者はInstagramやTikTokを活用し、「韓国人が今行くべき日本スポット」を積極的に検索・共有しています。特にMZ世代(20〜30代)は、カフェ・ホテル・展示会・地方観光・日本限定グルメなど、"写真・動画映え"するコンテンツへの反応が強い傾向があります。

韓国向けSNSマーケティングでは、マイクロインフルエンサーによるUGC投稿を活用することで、自然な認知拡大と来店促進につながります。

韓国インバウンド(韓国人)の消費者行動

韓国人旅行者の消費行動には、日本人や他国の旅行者と異なる独自の特徴があります。これを把握することが、効果的なアプローチの前提となります。

日本に来た韓国人の購買傾向

韓国人旅行者の大きな特徴として、「事前リサーチ量の多さ」が挙げられます。訪日前に、NAVERブログ・Instagram・TikTok・YouTubeなどを活用し、「日本で買うべき商品」「行くべき場所」を細かく調査する傾向があります。そのため、韓国向けインバウンド施策では、訪日前の検索導線を押さえるコンテンツマーケティングが非常に重要です。

購買カテゴリ人気の理由主な商品例
ドラッグストア・コスメ日本品質への信頼・価格の割安感スキンケア用品、OTC医薬品、サプリ
食料品・飲料(コンビニ・スーパ)日本限定品・お土産需要お菓子、抹茶製品、ご当地グルメ
ファッション・アパレル日本ブランドへの関心ストリート系・アウトドア系ブランド
電化製品日本製品への信頼性美容家電、キッチン家電

韓国人旅行者の消費行動の3つの特徴

01

SNSで「答え合わせ」をしながら購買する

旅行中にInstagramやTikTokで見つけた情報をその場で確認し、「これが話題の商品か」と確かめながら購入するスタイルが定着。店頭でQRコードが読めたり、韓国語の商品説明があると購買決定が早まります。

02

リピーターほど「深い消費」をする

初訪問の旅行者は定番スポット・定番商品を中心に購買しますが、リピーターは地域密着型の店舗や「知る人ぞ知る」商品への関心が高まります。リピーター向けの情報発信はLTVを高める上で非常に重要です。

03

口コミ・レビューを強く信頼する

購買前に「フギ(口コミ・レビュー)」と呼ばれる他ユーザーのレビューを必ずチェックする習慣があります。NAVERブログや韓国語レビューサイトに自社商品・施設の評判が存在するかどうかが、購買判断を大きく左右します。

アセントネットワークスの支援事例

弊社アセントネットワークスでは、NAVERブログのインフルエンサー施策を中心に、多くの日本企業の韓国インバウンドプロモーションを支援しています。

CASE Aショッピングモール

大型ショッピングモールのインバウンド集客支援

訪日韓国人旅行者の来店数増加を目的に、NAVERブログのインフルエンサー施策を実施。

  • 媒体NAVER Blogインフルエンサー施策
  • 提供サービスインフルエンサーとのコミュニケーション・記事校閲
  • 成果「外国旅行の人気記事」カテゴリーにて3位露出を達成
CASE Bホテル

ホテルのインバウンド集客支援

韓国人旅行者の予約・来館増加を目的に、NAVERブログのインフルエンサー施策を実施。

  • 媒体NAVER Blogインフルエンサー施策
  • 提供サービスインフルエンサーとのコミュニケーション・記事校閲
  • 成果「外国旅行の人気記事」カテゴリーにて最上段露出を達成

韓国インバウンドのまとめ

この記事では、韓国インバウンドの市場規模・トレンド・消費者行動・プロモーション戦略について解説しました。要点を整理します。

  • 訪日韓国人は945万9,600人(2025年)で、国別訪日外客数No.1・過去最高を更新した最重要インバウンド市場
  • 旅行消費額は9,864億円(2025年)で過去最高。宿泊・飲食・買い物への支出が活発
  • NAVERブログ・KakaoTalk・Instagram・TikTokが主要な情報収集・購買チャネル
  • プロモーションはNAVER SEO・KakaoTalkチャンネル・インフルエンサー活用の3本柱が効果的
  • 口コミ(フギ)文化が強く、韓国語でのレビュー・コンテンツ整備が購買決定を左右する
  • 韓国人旅行者の約80%がリピーター。超リピーター化が進む中、LTV向上を意識した施策が重要

韓国インバウンド向けプロモーション FAQ

プロモーションにはどんな手法がありますか?

韓国人旅行者向けの主な観光プロモーション手法としては以下のものが挙げられます。

  • NAVERブログ・カフェを活用した韓国語コンテンツの発信
  • KakaoTalkチャンネルを使ったクーポン・キャンペーン情報の配信
  • InstagramやTikTokのマイクロインフルエンサーへの体験提供・コンテンツ依頼
  • 韓国の旅行メディア・比較サイトへの掲載・タイアップ記事
  • 韓国語対応スタッフの配置や多言語サイネージなど来店環境の整備

目標(認知拡大・来店促進・リピーター獲得)によって最適な手法の組み合わせが異なるため、まずは自社の目標を明確にした上で施策を設計することが重要です。

今後も韓国のインバウンド市場は成長しますか?
はい、中長期的な成長が見込まれます。2025年に過去最高の945万人・消費額9,864億円を達成した訪日韓国人市場は、2026年も拡大傾向にあります。2026年1月には月間110万人超えを史上初めて記録しており、好調な流れが続いています。韓国では訪日が「国内旅行に近いルーティン」として定着しており、「週末日本旅行」などの日常化が進んでいます。政府が掲げる「2030年訪日客6,000万人・消費額15兆円」の目標達成に向けても、韓国市場の成長は不可欠な柱となっています。
韓国向けインバウンドマーケティングで重要な施策は?
韓国向けインバウンドマーケティングでは、NAVER SEO・NAVERブログ施策・KakaoTalk広告・Instagram運用・韓国インフルエンサーマーケティングなど、韓国独自のプラットフォームに合わせた施策が重要です。特に韓国人旅行者は口コミ(UGC)を重視する傾向が強く、韓国語でのレビュー形成やSNS上での話題化が来店・購買行動へ大きく影響します。
日韓双方のインバウンド数は?
訪日外国人全体の中では、2025年時点で韓国人旅行者が国別No.1です(945万9,600人)。一方、日本人の訪韓者数も推移しており、日韓間は双方向の旅行往来が活発な状況です。